それはまったくの突然だった。長男が朝突然、高熱を出し、腹痛を訴えた。原因がわからず、病院へ行ったが、先生いわく「熱は風邪をひいたことからきてるし、お腹がいたいのは腸がゆるくなっているからでしょう」。よくわからなかったが、薬をもらって帰った。
しかし、熱と腹痛は一向に治らない。発病から2日後は元気だった。微熱はあったが、食欲は戻っていた。でも3日後にまたも40度近い高熱と吐き気、下痢…。「治ったと思ったのに…」。私もカミさんもそう感じていた。
実は私は、高校時代にこんな経験がある。連日、お腹全体が張ったような痛さが続き、病院にいっても原因がわからず、精密検査まで受けたが、理由がわからなかった。たまたま風邪をひき、自宅近くの「町医者」に行ったとき、お腹が痛いことをつげ、ちょいとお腹をさすってもらったら「ああ、これは単なるガスたまりだな。ちゃんとおならをしないとダメだよ」と笑い飛ばされた。それまでの検査はなんだったのだ…。当時、真剣に心配してくれた野球部のチームメートから、あきれられた。
だから長男にもこんな冷たい言葉をはいた。「おならしてみろ。ん~って、踏ん張ってごらん」。長男は素直にお腹に力を入れていたが、「やっぱり痛い」。そして出たおならが強烈にくさかった。この世のものとは思えなかった。
またも病院へ。さすがに医者も今度は血液検査、検便をしてくれた。そして出た結論は…。先生「これは食中毒ですね。発病2、3日前になにか生ものを食べましたか?」。長男と顔を見つめ合って思い出した。親戚含めて家族で大分の別荘に1泊で旅行に行った際、地鶏刺しを食べた。長男にも「もう大丈夫よ。食べてみて。おいしいよ」と私がすすめて食べさせたことを…。
まったく、いいかげんな親である。そして今、せっかくの休日が1日長男のいいなりになっている。「マックが食べたい」。熱もひいて、食欲が出てきた病人のリクエストに応えて、歩いて往復30分もかけてハンバーガーを買ってきた。「使いっぱしり」させられても、文句はいけない。トホホ…。