行って来ました、小田和正のコンサート。ずいぶんまえから楽しみにしていたが、期待とおりであり、期待以上のものだった。夕方5時から始まり、時間にして約3時間。大勢の人の列に混じり、お行儀よくマリンメッセから出たとき、急激に別世界から現実へと突き落とされた気がした。
「真っ白」から始まった。立ち見席で会場一番奥の一番高いところから、見ていたので小田さんの顔なんて、見えはしなかったが、大画面があったのでいくらか助かった(おまり、小田さんのしわだらけの顔をアップで見てもしかたないのだが)。まるでストリップ会場のように正面ステージから中央へ舞台が延びている。その先端でギターを持って登場した。
1曲目が終わると「ラブストーリーは突然に」に変わり、2、3曲後、オフコース時代の曲に。「たそがれ」「さよなら」と続き「眠れぬ夜」「夏の終わり」へ。「夏の終わり」のとき、あまりのギターのサウンドのよさに、無意識に涙腺が刺激された。
テレビレギュラー番組「月曜組曲」の話題となり「風のようにうたが流れていた」「たしかなこと」とたて続きに新曲を披露した。新しいアルバム「そうかな」から次々と曲が流れ、休憩へと入った。
休憩時間は小田さんが過去福岡を訪れたときのスナップ映像が流れた。「マリノアに2つの観覧車がある意味がわからない」「客がほとんどいないマリゾンに行って、ここは大丈夫なのだろうか」などなど、毒舌をはき会場を笑わせていた。
休憩後はピアノに座った小田さん。これからが本当の小田ワールドなんだと、いわんばかりにあのかん高い美声と静かなメロディーを続け、最後は「言葉にできない」で終わった。
アンコールは2度。いや3度でてきた。「まだ歌うけど、帰りたい人は帰りながらでも聞いてください」と、3度目はオフコース時代の「私の願い」。ピアノのみで静かに終わった。
それにしても、オロルベシ男である。57歳ながら、ストリッパーのような中央へ、そして左右へ広がる舞台を走り回っていた。それもほとんどダッシュで…。なんという体力。そして歌唱力。私からすれば、あと20年後。とても想像できないほど、エネルギッシュで少年のような笑顔が、いつまでも忘れられそうもない。